左右の椎骨動脈は合流し脳底動脈となり小脳・脳幹・脊髄に血液を供給する非常に重要な脳血管であるが、血流調節においては不明な点が多い。また、椎骨動脈は解剖学的に多様であり、~5-8%の確率で左右差を伴った狭小化すなわち「低形成」が認められる。近年、椎骨動脈の低形成は、脳幹・小脳領域における脳卒中や偏頭痛のリスク要因となる可能性が報告されているが、このメカニズムは不明である。本申請課題においては、1)椎骨動脈の低形成が動的脳血流調節機能に及ぼす影響、2)姿勢変化に対する椎骨動脈の血流変化、3)長期ベッドレストに対する脳循環動態の適応、を明らかにし椎骨動脈の血流調節作用の特異性を明らかにした。
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