網膜において、光暴露によってもcFosの誘導が生じない、光入力がゲートされた位相の存在を確認した。さらに網膜神経節細胞のうちメラノプシンを含有する神経細胞(視交叉上核に投射する。)のみを観察し、cFosの発現に位相依存性があることが明らかになった。これは視交叉上核への光情報が網膜レベルで制御されていることを示唆する。また、マウスの明暗の日周変動をシフトさせ時差ぼけ状態を作り出し、ゲーティング位相のシフト様式を明らかにした。ゲートの位相シフト速度は視交叉上核背内側部(DMSCN)の概日リズムの位相シフトとよく一致した。この発見は、DMSCNがゲートの位相を決定することを示唆している。
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