研究課題
ヒスタミンの生体内での産生源を明らかにすべくヒスチジン脱炭酸酵素(HDC)遺伝子の発現をモニターするレポーターマウスを作製した。ヒスタミンは必須アミノ酸の一種であるヒスチジンから生体内唯一の酵素であるHDCを介して産生されるため、この遺伝子の発現をモニターすることによりヒスタミンの産生について考察できる。まずHDC遺伝子の含まれるBAC (bacterial artificial chromosome) クローンを鋳型として、HDC遺伝子の一部を増幅し、pGEM-T vectorに導入し、このプラスミッド内で遺伝子改変をおこなった。その後、BACとの間で相同組み換えを利用して、第一エクソン部位にGFPを挿入したBACを準備し、このコンストラクトをマウス受精卵に打ち込みトランスジェニックマウスを用意した。このマウスが脳視床下部や胃体部におけるGFP発現は免疫染色で確認しているがHDC産生細胞と一致しているかどうかについて確認が必要である。そこで本研究ではレポーターマウスから摘出した胃におけるGFPとHDCの免疫染色を遂行し、染色パターンはGFPとHDCで一致していることが判明した。また小腸壁での細胞においては、肥満細胞の他に、好酸球や好塩基球にも蛍光の発光がみられ、現在まで考えられていた以上に多種類の血液細胞にヒスタミンが存在する可能性が出てきている。このため、今後様々な病態モデルを使った実験においても新たなヒスタミン産生細胞を認める可能性が高いと考え、今後も引き続いて他施設にて評価されていくことになると考えている。
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