研究課題
確立したβ-アレスチンアッセイ系の汎用性をリガンド既知のおよそ100種類のGPCRを用いて評価したところ、リガンド依存性の活性化を検出できた受容体はおよそ半数に留まったことから、Gタンパク質経路に対するアッセイ系を導入することを検討した。リガンドが未同定であるオーファンGPCRは、標的とする受容体の一次構造から活性化されるGタンパク質経路を予測ことは困難であるため、これまではGタンパク質経路の評価は複数のアッセイ系を併行せざるを得なかった。そこで、スクリーニングにおいて問題となるこのような煩雑さを解決できる汎用性の高いアッセイ系の開発を試みた。今回、新規に樹立したアッセイ系はマイクロプレートを用いてワンステップで施行できることから秀逸であることがわかりつつある。本Gタンパク質アッセイ系とβ-アレスチンアッセイ系をいくつかの既知受容体に運用したところ、カンナビノイドI型(CB1)受容体のリガンドであるΔ9-テトラヒドロカンナビノール(THC)は、CB1受容体のGタンパク質経路のみをパーシャルに活性化するバイアスドアゴニストとして作用することが明らかとなった。一方、JWH-018およびいくつかのCB1受容体アゴニストは、Gタンパク質経路とβ-アレスチン経路の両者を共に強く活性化することが判明した。このように、Δ9-THCがCB1受容体のGタンパク質バイアスドリガンドであることが新たに見出だされたことから、両アッセイ系の併用は重要であり、今後、両アッセイ系を運用してGPCRリガンドスクリーニングを継続していく予定である。
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すべて 雑誌論文 (8件) (うち査読あり 8件、 謝辞記載あり 8件、 オープンアクセス 3件)
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