研究課題
本研究課題では、申請者らが発見したS1Pシグナリングによるエクソソームへの積み荷ソーティング機構が癌転移を促進する積み荷(タンパク質やmiRNAなど)においても適用されることを細胞レベルおよび動物レベルで明らかにすることで、癌転移におけるS1Pシグナリングの役割を解明することを目的としている。平成28年度は、「課題2」の「S1Pシグナリングによるエクソソームソーティング機構の癌転移における重要性の解明」を中心に研究を進めた。具体的には、平成27年度に作製したマウス乳がん細胞株である4T1細胞のルシフェラーゼ-SphK2 shRNAダブル安定発現株を用いて、生体イメージング蛍光観察装置によるマウスにおける肺への癌転移実験を行い、SphK2ノックダウンの効果を検討することで、癌転移関連物質のS1Pシグナリングによるエクソソームソーティング機構と癌転移との関連をin vivoのレベルで明らかにすることを試みた。これまでに4T1細胞のルシフェラーゼ-SphK2 shRNAダブル安定発現株およびコントロール細胞株をマウス(C57BL/6J)に尾静脈注射し、一定期間飼育後ルシフェリンを尾静脈注射し、生体イメージング蛍光観察装置を用いてルシフェリンの赤色蛍光を検出する実験系の確立を進めており、目的の達成に向けて現在も継続中である。また、癌転移関連物質のS1Pシグナリングによるエクソソームソーティング機構と癌転移との関連を検討する過程で、エクソソームの積荷物質であるα-シヌクレインがS1Pシグナリングに対して抑制的な制御を担うことを明らかにした。
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件、 謝辞記載あり 2件) 備考 (1件)
Scientific Reports
巻: 7 ページ: 44248
10.1038/srep44248
巻: 6 ページ: 37810
10.1038/srep37810
http://www.med.kobe-u.ac.jp/biochemistry/Home.html