研究課題
iPS因子のひとつであるSox2をHEK細胞に強制発現させることにより、TRPC6、TRPM1、TRPM2、TRPM6、TRPV2のmRNA発現量の増加が観察された。また、Sox2を強制発現させることにより、TRPA1のmRNA発現量の減少が観察された。一方、TRPM1は低酸素刺激により発現上昇したが、Sox2強制発現は、この発現上昇を有意に減少させた。このことから、Sox2によるチャネル発現調節に低酸素刺激により活性化される低酸素誘導因子との相互作用が存在することが示された。またiPS因子のひとつであるKlf4をHEK細胞に強制発現させることによりTRPC5、TRPC6、TRPM2、TRPM4、TRPM6、TRPV2のmRNA発現が大きく上昇した。またTRPM3、TRPV1、TRPV3、TRPA1のmRNA発現量も増加した。一方、Klf4の強制発現で、TRPC1のA発現量は減少した。TRPM2は低酸素刺激により発現上昇したが、Klf4強制発現は、この発現上昇を有意に減少させた。また低酸素刺激で減少したTRPC3とTRPC4発現はKlf4強制発現でその減少が回復した。さらに、低酸素刺激で変化しなかったTRPM4、TRPM6、TRPV2発現が、細胞にKlf4を強制発現させると有意に減少した。このことから、Klf4によるチャネル発現調節にも低酸素刺激により活性化される低酸素誘導因子との相互作用が存在することが明らかとなった。またその制御機構については、Sox2との相互作用よりも複雑で、チャネル特異性が低いことも判明した。現在、iPS因子と低酸素誘導因子の相互作用について、検討を進めている。
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