私達は、抗がん剤による心筋障害モデルマウスにおいて、Curcumineを投与すると心筋オートファジーが惹起されることで心筋アポトーシスや心機能の低下が抑えられ、死亡率を劇的に改善することを示した。また、自律神経過緊張状態では心筋オートファジーが心保護に働くと共に、その過程にはmTOR非依存性御のAktシグナルが関わることを発見した。さらに、心不全の進展においてミトコンドリアタンパクの関わる脂質代謝やアミノ酸代謝が変化することを見出した。以上の成果は、心筋のオートファジーやエネルギー代謝の制御が、心不全の発症を抑える新しいがん化学療法の開発につながることを示す。
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