• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2015 年度 実施状況報告書

SLC41輸送体群によるMg2+制御機構とその破綻に基づく病態機序

研究課題

研究課題/領域番号 26460351
研究機関福岡大学

研究代表者

岩本 隆宏  福岡大学, 医学部, 教授 (20300973)

研究分担者 藤井 誠  福岡大学, 医学部, 講師 (30398086) [辞退]
後藤 雄輔  福岡大学, 医学部, 助教 (90609489) [辞退]
研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワードイオン輸送体 / マグネシウム / 病態モデル
研究実績の概要

SLC41輸送体はMg2+輸送体の一つであり、Mg2+流入やNa+依存性Mg2+排出に関わる可能性が示唆されているが、その生理学的役割や病態学的意義については未だ明確になっていない。本研究の目的は、独自に作製したSLC41A1/SLC41A2遺伝子改変マウスを用い、SLC41輸送体の生体Mg2+制御における機能的役割を多角的に解析するとともに、各種病態モデル実験により心臓・血管機能維持および心血管病発症における生理的病態的意義を解明することである。これまでに、SLC41A1/SLC41A2のホモ欠損マウスでは、マグネシウム摂取量依存性の血中Mg2+濃度の変動が野生型マウスと明らかに異なっていることを見出している。また、SLC41A2ホモ欠損マウスでは血管反応性の低下および腎機能の低下も認められた。平成27年度には、SLC41A1/SLC41A2の心筋特異的・血管平滑筋特異的高発現マウスを作製した。現時点の研究結果から、SLC41輸送体高発現マウスでは心機能変化が観察されており、その機序についてさらに解析を進めている。SLC41輸送体は心血管機能維持に重要な役割を有する可能性が高いと推測される。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の研究計画に基づいて、SLC41A1/SLC41A2の心筋特異的・血管平滑筋特異的高発現マウスを作製した。現在、これら遺伝子改変マウスの心血管機能解析を実施している。現時点の解析結果から、心機能変化を見出しており、その機序についてさらに詳細に解析中である。

今後の研究の推進方策

SLC41A1/SLC41A2ホモ欠損マウスは全身の遺伝子欠損である。そこで、心筋特異的・血管平滑筋特異的SLC41A1/SLC41A2高発現マウスをホモ欠損マウスと交配することにより、ホモ欠損マウスで見出された形態学的・機能的変化および心血管病態変化に対して、心臓・血管に限定したレスキュー実験を実施する。これまでの研究成果も合わせて、心臓および血管におけるMg2+制御異常の分子機序を統合的に検証し、SLC41分子種の生理的病態的意義の解明を目指す。

次年度使用額が生じた理由

平成27年度に作製したSLC41輸送体高発現マウスの心血管機能解析を実施する予定であったが、一部の高発現マウスで産仔数の確保が困難な状況になり(機能異常の影響)、解析項目の一部を平成28年度にずれ込んで実施することになったためである。

次年度使用額の使用計画

平成28年度は、SLC41A1/SLC41A2のホモ欠損マウスと心血管特異的高発現マウスの二重交配によるレスキュー実験を実施するため、実験動物代、実験試薬代に加えて、運動機能解析用のトレッドミル装置代などに経費を使用する。また、最終年度となるため、本研究成果を発表する学会出張費や論文掲載費にも使用する予定である。

  • 研究成果

    (10件)

すべて 2016 2015 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (5件) 図書 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Na+/Ca2+ exchanger-heterozygote knockout mice display increased relaxation in gastric fundus and accelerated gastric transit in vivo.2016

    • 著者名/発表者名
      Azuma YT, Hayashi S, Nishiyama K, Kita S, Mukai K, Nakajima H, Iwamoto T, Takeuchi T.
    • 雑誌名

      Neurogastroenterol Motil.

      巻: 28 ページ: 827-836

    • DOI

      10.1111/nmo.12779

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Nicorandil stimulates a Na+/Ca2+ exchanger by activating guanylate cyclase in guinea pig cardiac myocytes.2016

    • 著者名/発表者名
      Wei J, Watanabe Y, Takeuchi K, Yamashita K, Tashiro M, Kita S, Iwamoto T, Watanabe H, Kimura J.
    • 雑誌名

      Pflugers Arch.

      巻: 468 ページ: 693-703

    • DOI

      10.1007/s00424-015-1763-8

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Na+/Ca2+交換体と循環器系疾患:創薬標的としての可能性2015

    • 著者名/発表者名
      岩本隆宏
    • 雑誌名

      臨床薬理

      巻: 46 ページ: 30-32

  • [学会発表] 各種遺伝子改変マウスを用いた腎Na+/Ca2+交換輸送体の機能解析2016

    • 著者名/発表者名
      田頭秀章、喜多紗斗美、荒井勇二、岩本隆宏
    • 学会等名
      第89回日本薬理学会年会
    • 発表場所
      横浜
    • 年月日
      2016-03-09 – 2016-03-11
  • [学会発表] Mg2+輸送体SLC41の腎臓・血管機能調節における役割2015

    • 著者名/発表者名
      田頭秀章、喜多紗斗美、岩本隆宏
    • 学会等名
      第68回日本薬理学会西南部会
    • 発表場所
      下関
    • 年月日
      2015-11-21
  • [学会発表] 遺伝子改変マウスを用いたNCLXの心血管機能解析2015

    • 著者名/発表者名
      田頭秀章、喜多紗斗美、岩本隆宏
    • 学会等名
      生理研研究会2015「心臓・血管系の包括的な機能総合研究」
    • 発表場所
      岡崎
    • 年月日
      2015-10-29 – 2015-10-30
  • [学会発表] Na/Ca交換体機能抑制の腎機能およびCa排泄に及ぼす影響について2015

    • 著者名/発表者名
      田頭秀章、喜多紗斗美、後藤雄輔、岩本隆宏
    • 学会等名
      第34回臨床薬理阿蘇九重カンファレンス
    • 発表場所
      福岡
    • 年月日
      2015-10-03
  • [学会発表] NCLXノックアウトマウスの心機能解析2015

    • 著者名/発表者名
      喜多紗斗美、田頭秀章、岩本隆宏
    • 学会等名
      第10回トランスポーター研究会年会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2015-06-20 – 2015-06-21
  • [図書] 図解薬理学(編集: 飯島俊隆、井上和秀): 薬物標的となるイオントランスポーター2015

    • 著者名/発表者名
      岩本隆宏(執筆)
    • 総ページ数
      874
    • 出版者
      南山堂
  • [備考] 福岡大学医学部薬理学教室ホームページ

    • URL

      http://www.med.fukuoka-u.ac.jp/pharmaco/index.html

URL: 

公開日: 2017-01-06  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi