申請者らは世界で初めて硫化水素(H2S)とポリサルファイド(H2Sn、n≧2)が内在性シグナル分子であることを報告した。本研究ではH2Snによるtransient receptor potential ankyrin1(TRPA1)チャネルの活性化機構を検討した。H2SnはTRPA1のシステイン残基を過硫化してジスルフィド結合を形成させて、構造変化を誘発してチャネルを活性化すること、H2Snは3-メルカプトピルビン酸硫黄転移酵素(3MST)により産生されること、生成したH2Snは細胞内抗酸化物質システインとGSHと反応して、酸化還元調節物質Cys-SSHやGSSHを産生すること等を報告した。
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