研究課題/領域番号 |
26460353
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研究機関 | 旭川医科大学 |
研究代表者 |
大谷 克城 旭川医科大学, 医学部, 准教授 (90396367)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | コレクチン / 発生・分化 / 糖鎖 / 自然免疫 / 補体 |
研究実績の概要 |
CL-K1の生体における役割を明らかにするため、CL-K1遺伝子ノックアウトマウスを用いて、発生および生体における表現型解析を行った。表現型の異常を見出しCL-K1の機能を予測することを目的として行った。 発生における表現型解析は着床前の初期胚については、ヘテロマウスの雌雄およびワイルドマウスの雌雄の体外受精を行い、その差異を比較した。着床後に関しては交配後3段階に分けて胎仔を摘出して組織標本を作製し、顕微鏡観察により形態的な差異を観察するとともに、抗マウスCL-K1抗体を用いてCL-K1の局在との関連について検討を行った。着床前については、差異は見いだされなかったが、着床後においては、いくつか異なる表現型が観察された。 成体における表現型解析は、先ず、ノックアウトマウスとワイルドマウスの各組織標本を作製し、HE染色を行い、顕微鏡観察により検討を行った。その結果、様々な臓器においてノックアウトマウスで異常があることを明らかにした。さらに小動物実験用X線CT装置により断層撮影を行い3D画像の構築により骨格の差異について検討したところ、頭部において骨形成の異常を見出した。また、血清、血漿を用いた血液学的解析や尿検査を行い、腎機能に異常があることが明らかとなった。 CL-K1は、発生段階初期から発現することから、その機能を明らかにするため胚における発現様式や発現細胞の同定を行う目的で、CL-K1のプロモーター領域に蛍光蛋白質GFP遺伝子を組み込んだレポータートランスジェニックマウス(wt-CL-K1-GFP TGマウス)の作成に取り組んだ。現在進行中でノックアウトマウス作出には至っていない。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
CL-K1遺伝子ノックアウトマウスを用いた検討により、CL-K1の発生段階における形態形成の異常および成体における機能異常を見出すことができたが、多様な表現型の差異が明らかになったことから、かなりの時間を要してしまった。まだ検討の必要性がある状況である。このことから、wt-CL-K1-GFPトランスジェニックマウスの作成については、作出に至ることができず、当初の予定より遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
今後については、早急に機能を明らかにし、wt-CL-K1-GFPトランスジェニックマウスを確立して、CL-K1の発生段階および成体におけるそれぞれのメカニズムの解明に着手する。若干の遅れはあるが、想定内であり、当初の計画を進めることは可能であると考えている。
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