最近の研究により、造血幹細胞は極めて多様な生物活性を持ったヘテロな集団であることが判明している。生体はこの造血幹細胞の不均一性を維持することで、造血システムを長期間維持し、様々なストレスに対応していると考えられる。本研究では、分裂活性や細胞周期制御に極めて重要なmTORキナーゼ複合体とフォークヘッド転写因子Foxoに着目し、これらの分子に制御を受ける遺伝子を網羅的に解析した。さらに、CRISPR/Cas9を利用した分子機能スクリーニングを実施することで、造血幹細胞や白血病幹細胞の不均一性に寄与する分子経路を複数同定した。
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