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2016 年度 実績報告書

Wntとその受容体の細胞内トラフィック制御機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 26460365
研究機関大阪大学

研究代表者

山本 英樹  大阪大学, 医学系研究科, 准教授 (20372691)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワードWnt / 翻訳後修飾 / LRP6 / 細胞内トラフィック / LDL
研究実績の概要

本研究ではWntファミリーの翻訳後修飾と細胞外分泌制御を明らかにすると共にWntとその受容体の細胞内トラフィックによる細胞機能の制御機構を明らかにすることを目的としている。今年度はWnt1とWnt5bに付加される糖鎖構造を明らかにした。また、Wnt5bがエクソソームと呼ばれる細胞外小胞と共に分泌され、大腸癌細胞株のCaco2細胞が分泌するWnt5b含有エクソソームには癌細胞の増殖と運動能を亢進させる機能があることを見出した。さらに、極性化されたMDCK細胞においてWnt1は頂端部、側底部の両者に分泌され、エクソシストを介して頂端側、クラスリンやAP1を介して側底側へ輸送されることを明らかにした。Wntシグナル経路の受容体として機能するLRP6がLDL依存性のLDL受容体のエンドサイトーシスに必要であることから、LRP6が脂質代謝に重要な機能を果たしていることが示唆されている。私共はヒト肝癌細胞株の HepG2 細胞において LRP6 が頂端膜に局在することを見出し、その輸送経路を解析した。その結果、LDLの非存在下においてLRP6はゴルジ体から一度、側底膜に移行した後、脂質ラフトに局在するflotillin依存性に頂端膜に再輸送(トランスサイトーシス)されることを見出した。さらに、NPC1の構造に類似し、コレステロール代謝に関連するNPC1L1がLRP6と頂端膜において共局在することを見出した。一方、LDL刺激によってLRP6はクラスリン依存性エンドサイトーシスによって細胞質内に移行した後、後期エンドソームへ輸送される。これらの結果から、肝細胞においてLRP6はLDLの有無によってエンドサイトーシス経路が制御され、脂質代謝が制御されることが示唆された。本研究成果を3編の原著論文として投稿し、Wnt5bに関する論文はCancer Sci.に掲載された。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2016 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Wnt5b-associated Exosomes promote cell proliferation and migration in a cancer cell context2016

    • 著者名/発表者名
      Harada, T., Yamamoto, H., Kishida, S., Kishida, M., Awada, C., Takao, T., and Kikuchi, A.
    • 雑誌名

      Cancer Sci.

      巻: 108 ページ: 42-52

    • DOI

      10.1111/cas.13109

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Active and water-soluble form of lipidated Wnt protein is maintained by a serum glycoprotein afamin/α-albumin2016

    • 著者名/発表者名
      2.Mihara, E., Hirai, H., Yamamoto, H., Tamura-Kawakami, K., Matano, M., Kikuchi, A., Sato, T., and Takagi, J.
    • 雑誌名

      eLife

      巻: 5 ページ: e11621

    • DOI

      10.7554/eLife.11621

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [学会発表] 肝細胞におけるLDLによるLRP6の異なるエンドサイトーシス経路の制御機構2016

    • 著者名/発表者名
      山本英樹、梅田大介、松本真司、菊池章
    • 学会等名
      第89回日本生化学会大会
    • 発表場所
      仙台
    • 年月日
      2016-09-27 – 2016-09-27
  • [学会発表] エキソソーム上のWnt5bは細胞環境に応じて、がん細胞の増殖と運動を制御する2016

    • 著者名/発表者名
      原田武志、山本英樹、菊池章
    • 学会等名
      第89回日本生化学会大会
    • 発表場所
      仙台
    • 年月日
      2016-09-27 – 2016-09-27
  • [備考] 大阪大学大学院医学系研究科 分子病態生化学 生体システムとしてのシグナル伝達の分子基盤の確立

    • URL

      http://www.med.osaka-u.ac.jp/pub/molbiobc/

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公開日: 2018-01-16  

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