Zfp296(申請時の名称:Ces1)は幹細胞の多能性維持や悪性腫瘍の進展に影響するとされてきたが、それらのメカニズムは不明である。そこで、ノックアウト(KO)マウスを作製したところ、Zfp296 KOマウスは胎仔成長や生殖細胞の分化に異常をきたした。また、Zfp296は、細胞核のヘテロクロマチンに局在し、複数のエピジェネティック制御因子と相互作用することがわかった。さらに、Zfp296 KOマウスでは、ヘテロクロマチンのサテライトDNA領域で特異的に、H3K9メチル化レベルが上昇していた。以上から、Zfp296がヘテロクロマチン構成因子としてH3K9メチル化を抑制すると結論された。
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