肺線維症などの臓器線維化はそのメカニズムが解明されておらず、未だに良い治療法がない。私達は血液中に存在する脂質メディエーター(ホルモンのように作用する脂溶性物質)のスフィンゴシン-1-リン酸(S1P)の作用の過剰が心臓の線維化に関わっていることをS1P産生酵素の遺伝子改変マウスを用いて以前に見出している。本研究ではブレオマイシン(抗がん剤)による肺線維化のモデルを用いて、S1Pが肺線維化の増悪に関与していることをS1P受容体遺伝子を欠損したノックアウトマウスとこのS1P受容体に対する選択的阻害薬を用いて明らかにした。
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