研究課題
血小板活性化因子(PAF)生合成酵素であるLPCAT2の解析が進んだ。PAFやATPによる刺激で30秒程度で活性化された。これはcPKC経路による34番目のSerのリン酸化によるものであった。これでマクロファージにおいてLPCAT2の3種類の調節機構が解明された(Morimoto et al J Biol Chem. 2014)。さらに17万化合物をスタートにLPCAT2阻害剤スクリーニングも行った。LPCAT2阻害剤としてTSI-01を報告した(Tarui et al. J Lipid Res. 2014)。LPCAT1欠損マウスは過換気呼吸モデルで致死率が高いことがわかった。これは肺サーファクタント脂質の質が変化することにより、肺にダーメジがあり、炎症を誘発したためであった(Harayama et al. Cell Metab. 2014)。また、同論文でホスファチジルコリン生合成メカニズムの一端を報告した。18:2や22:6の脂肪酸はホスファチジン酸生合成の段階、16:0や18:1の脂肪酸はホスファチジルコリン生合成の段階で組み込まれやすいことがわかった。
2: おおむね順調に進展している
LPCAT2の酵素学的な解析とLPCAT1欠損マウスの肺機能への影響を発表できたので、おおむね順調である。他のマウスに関しては引き続き継続している。
引き続き酵素欠損マウスを用いたリン脂質代謝解析を行う。LPCAT1欠損マウス:肺疾患、LPCAT2欠損マウス:炎症モデル実験、LPCAT3欠損マウス:リン脂質中アラキドン酸機能解析また、細胞レベルでも分化によるリン脂質、生合成酵素、脂肪酸組成の違いをプロファイリングし、機能との関連を調べる。
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FASEB J
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