研究課題
アラキドン酸をリン脂質に組み込む中心的酵素であるlysophosphatidylcholine acyltransferase 3 (LPCAT3)欠損マウスを作製すると新生児致死であった。小腸に脂質蓄積が観察され、血糖値も低下していた。in vitroの実験からリン脂質膜中のアラキドン酸減少により、トリアシルグリセロールの分泌が低下し、小腸での脂質が蓄積、さらに血中への輸送量が減ったと考えられた。リン脂質組成の局所的な違いが与える生命機能の一端の報告となった(Hashidate-Yoshida T et al Elife 06328. 2015)。
2: おおむね順調に進展している
LPCAT3欠損マウスの解析により、生体膜組成の違いが影響するトリアシルグリセロール分泌能を発表できたので、おおむね順調である。また、共同研究としてマクロファージ細胞株のM1/M2の脂質プロファイルングやLPCAT1が脂肪酸細胞毒性から保護する事も報告している。他のマウスに関しては引き続き継続している。
引き続き、各リゾリン脂質アシル転移酵素欠損マウスの表現型解析を継続する。また、細胞レベルでも分化によるリン脂質、生合成酵素、脂肪酸組成の違いをプロファイリングし、機能との関連を調べる。さらに、リン脂質組成の違いによる物性変化が与える生体膜機能についても解析する。
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