研究課題
本年度は細胞内脂肪酸可視化技術を発表した。Brラベルパルミチン酸とBrラベルステアリン酸をCHO細胞培養液に添加し、Spring 8のScanning X-ray fluorescence microscopyを用いてBrシグナルを検出した。細胞内の核膜、小胞体、ゴルジ体周辺でBrシグナルを検出できた。同時に脂質解析を行い、ほとんどがリン脂質由来である事、また多様なリン脂質となっている事も確認した。新しい細胞内脂質の可視化技術として、今後発展させたい。(Shimura*, Shindou* et al. FASEB J. 2016)血小板活性化因子(PAF)生合成酵素であるLPCAT2の欠損マウスを作製した。神経因性疼痛モデルであるpartial sciatic nerve ligation (PSL)解析をLPCAT2欠損マウスで行ったところ、疼痛を示さなかった。もう一方のPAF生合成酵素であるLPCAT1欠損マウスは疼痛軽減が無かった。PAFはPAF自身やATPなど細胞外の刺激で誘導される。マウス腹腔マクロファージをPAF受容体アンタゴニストABT-491やWEB2086で処理しておくと、その後のATP刺激によるPAF産生が減弱した。これは一度産生されたPAFが再びPAF産生を誘導するフィードバックループを示唆している。このループがPAF pain loopとなり疼痛を維持又は悪化させているのではないかと推測した。神経因性疼痛に対する鎮痛薬開発へ発展できる可能性がある。(Shindou*, Shiraishi* et al. FASEB J. 2017)
すべて 2017 2016 その他
すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 2件、 査読あり 5件、 オープンアクセス 3件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 2件) 備考 (1件)
FASEB J.
巻: in press ページ: in press
in press
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