研究課題/領域番号 |
26460390
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
野田 亮 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30146708)
|
研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
キーワード | 組織・細胞 / 循環器・高血圧 / 生体分子 / 癌 / 発生・分化 |
研究実績の概要 |
Tie2-CreおよびSm22-Creをドライバーとする血管内皮および壁細胞選択的Reckノックアウト・マウスを作製したところ、後者は、胎生10.5日(E10.5)頃に死亡するのに対し、前者は、誕生直前まで発生が進むことが見出された。この結果より、全身性Reck欠損マウスで見られたE10.5胎生致死形質が壁細胞Reckの機能の不可欠性を反映するものと考えられた。また、ICR系統のマウスを用いて大動脈器官培養系Aortic Ring Assay(ARA)を行う至適条件を求める実験を行い、再現性良く微小血管形成を観察できる系を確立した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1)胎児血管発生における血管壁細胞Reckの重要性が確認できた。また、血管内皮細胞Reckが胎生後期に特に脳血管の発生に重要な役割を担っていることが示唆された。
2)ARA系が確立され、Reckの血管形成に対する効果をin vitro で見る実験が順調に進んでいる。
|
今後の研究の推進方策 |
Time-lapse記録を行う実験は手間取っているが、一方で、静止画像から微小血管の形態を定量化するソフトウェア(AngioTool)を用いることにより、Reckの効果をより客観的に評価できる可能性が考えられる。また、ARAに免疫染色を導入し、細胞分化マーカー、細胞表面タンパク質や細胞外マトリックスの変化を追跡できるようにする予定である。
|