メラノサイト及びメラノーマ細胞のガングリオシド糖鎖合成酵素遺伝子の発現レベルを解析した結果、GD3合成酵素遺伝子の発現がメラノーマで高く、メラノサイトでは非常に低かった。しかし、メラノサイトではTNFα 刺激とcAMP刺激除去によりその遺伝子の発現上昇が認められ、TNFαとcAMPを介したシグナルがGD3合成酵素遺伝子の発現を正反対に制御することが示唆された。 一方、これらの処理によりメラノーマ細胞ではGD3合成酵素遺伝子発現の変動はなく、IKK阻害剤によりその発現は著しく低下した。従って、癌関連糖鎖合成酵素遺伝子の発現制御はメラノサイトとメラノーマでは異なることが明らかになった。
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