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2015 年度 実施状況報告書

第1番染色体に連鎖する新規遺伝性ニューロパチーの分子基盤解明

研究課題

研究課題/領域番号 26460411
研究機関久留米大学

研究代表者

三浦 史郎  久留米大学, 医学部, 講師 (00441650)

研究分担者 柴田 弘紀  九州大学, 生体防御医学研究所, 准教授 (80315093)
研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワードIQGAP3 / 遺伝性ニューロパチー / エクソーム / 連鎖解析 / non coding RNA
研究実績の概要

1)連鎖解析:平均0.1cM間隔のSNPマーカーを用いて連鎖解析を再計算したところ、責任遺伝子変異の連鎖領域がrs1341580からrs16837709の37.1 Mbの領域に狭められた。われわれが注目しているIQGAP3遺伝子はこの連鎖領域内に存在している。
2)罹患者におけるIQGAP3遺伝子の異常スプライス産物発現の検出:前年度の段階で、責任候補遺伝子変異が存在するイントロン27にnon coding RNAが存在することが明らかになったため、エクソン26とエクソン29にプライマーペアを設定し、イントロン28がスプライスされた産物が健常者cDNAで存在することをPCRによりまずは確認できた。しかし、患者cDNAでは増幅産物が得られなかった。したがって、患者では異常スプライスが生じている可能性が残された。
3)リアルタイムPCR法によるIQGAP3発現解析:新たなプローブを設定し、コントロールおよび家系内健常者と家系内罹患者で比較しようとしたが、罹患者特異的に安定した発現データが得られず、患者ではIQGAP3の発現に変化が生じている可能性はやはり否定できないと考えている。
4)家系内患者および罹患者の候補遺伝子変異を含むnon coding RNA領域全長のシークエンスを決定した。
5)比較的微細なcopy number variantが真の責任遺伝子変異である可能性も考えられるため、平行してCHGアレイのデータ解析を開始した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

#リンパ球における目的の遺伝子の発現量が極端に低いため、想定をはるかに超える検体量が必要であったため、患者検体が不足し、検体の再採取を行わなくてはならなくなり、再採取をおこなった。

#末梢血リンパ球でのIQGAP3発現が健常者で極めて低いことにより、発現量の定量が不可能ではないが困難である。

#当初は異常スプライス産物が病因に関与していると仮定していたが、これに加えて当該変異を含むnon coding RNAが病因に関与している可能性や、さらには比較的短い塩基配列のcopy number variantが真の原因である可能性もrule outする必要が生じた。

今後の研究の推進方策

1)多数のプライマーペアを新たに設計し、引き続き異常スプライス産物検出を行う。
2)患者および健常者由来のcDNAから制限酵素サイトを付加したIQGAP3 non coding RNA領域のフラグメントをプラスミドに導入し、ベクターを用いて培養神経細胞にトランスフェクションする。ついで、RNAやタンパク質を抽出し、リアルタイムPCRやウエスタンブロッティングでIQGAP3の発現を比較することでnon coding RNAの機能的意義を検討する。さらに可能であれば、マイクロアレイを用いて遺伝子発現変化を網羅的に調べる。
3)CHGアレイにより、患者特異的な病的copy number variantの有無を解析する。

次年度使用額が生じた理由

培養神経細胞を用いた実験を行う予定であったが、実験が遅れているため、培養神経細胞実験に必要な試薬購入費洋が未使用となりました。

次年度使用額の使用計画

新たにCHGアレイのデータ解析を行う必要性が生じたため、こちらの費用に充てることとしました。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2016 2015

すべて 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 1件、 査読あり 4件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] 片側体幹感覚障害を認めた中心後回梗塞2016

    • 著者名/発表者名
      三浦史郎、内山雄介、佐野謙、植田晋一郎、谷脇考恭
    • 雑誌名

      神経内科

      巻: 84 ページ: 105-107

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Genetic variants and cellular stressors associated with exfoliation syndrome modulate promoter activity of a lncRNA within the LOXL1 locus.2015

    • 著者名/発表者名
      Hauser MA, Aboobakar IF, Liu Y, Miura S, Whigham BT, Challa P, Wheeler J, Williams A, Santiago-Turla C, Qin X, Rautenbach RM, Ziskind A, Ramsay M, Uebe S, Song L, Safi A, Vithana EN, et al
    • 雑誌名

      Hum Mol Genet

      巻: 24 ページ: 6552-6563

    • DOI

      10.1093/hmg/ddv347

    • 査読あり / 国際共著
  • [雑誌論文] A novel missense mutation of RYR1 in familial idiopathic hyper CK-emia.2015

    • 著者名/発表者名
      Sano K, Miura S, Fujiwara T, Fujioka R, Yorita A, Noda K, Kida H, Azuma K, Kaieda S, Yamamoto K, Taniwaki T, Fukumaki Y, Shibata H
    • 雑誌名

      J Neurol Sci

      巻: 356 ページ: 142-147

    • DOI

      10.1016/j.jns.2015.06.035

    • 査読あり
  • [雑誌論文] First Japanese case of muscular dystrophy caused by a mutation in the anoctamin 5 gene.2015

    • 著者名/発表者名
      Kida H, Sano K, Yorita A, Miura S, Ayabe M, Hayashi Y, Nishino I, Taniwaki T.
    • 雑誌名

      Neurol Clin Neurosci

      巻: 3 ページ: 150-152

    • DOI

      10.1111/ncn3.175

    • 査読あり
  • [学会発表] Hereditary motor and sensory neuropathy with proximal dominancy in the lower extremities, urinary disturbance, and paroxysmal dry cough maps to chromosome 1p13.3-1q23.2015

    • 著者名/発表者名
      Miura S, Sano K, Kosaka K, Fujioka R, Saitsu H, Taniwaki T, Yamamoto K, Shibata H
    • 学会等名
      American Society of Human Genetics Annual Meeting 2015
    • 発表場所
      Baltimore, MD, USA
    • 年月日
      2015-10-09
    • 国際学会

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公開日: 2017-01-06  

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