臨床的・遺伝的に新規の家族性ニューロパチー(通常のタイプと異なり、下肢近位筋優位の筋力低下、排尿障害、発作性乾性咳嗽を特徴とする)の責任遺伝子変異を同定するための遺伝解析を、1家系19人を対象として行った。連鎖解析の結果、責任遺伝子変異は第1番染色体の37.1 Mbの領域内に存在することがわかった。また、エクソーム解析により、IQGAP3遺伝子のイントロン27のスプライスサイトの点変異が候補として残った。この塩基の進化的保存性をみたところ、脊椎動物全般で保存されていた。さらに、患者ではIQGAP3のスプライス異常が生じていることが特異的PCRによって示され、責任遺伝子変異であると考えられた。
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