膵管癌の発育進展に関して膵癌前駆病変の周囲変化を主体に解析し下記の成果を得た。まず、非浸潤性の膵管内腫瘍の段階でも、その周囲に肥満細胞の浸潤が有意に増加していることを明らかにした。次に膵管内腫瘍の発育進展に従ってMUC13が高発現し予後不良と有意に相関していることを明らかにし、術前診断に有益な情報となる可能性を示した。また、膵癌前駆病変の1つとして提唱されているAtypical flat lesion(AFL)について免疫組織化学的検討から膵癌前駆病変としての可能性を示した。膵管癌におけるリンパ管侵襲像の数と臨床予後との相関を検討し評価基準を策定した。
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