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2016 年度 実績報告書

子宮癌肉腫由来の癌幹細胞の分子制御機構の解明:病理組織での可視化とその臨床応用

研究課題

研究課題/領域番号 26460427
研究機関北里大学

研究代表者

三枝 信  北里大学, 医学部, 教授 (00265711)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード子宮癌肉腫 / βーカテニン / Sox4
研究実績の概要

今回の研究では、子宮内膜癌細胞において上皮間葉転換(EMT)と癌幹細胞(CSC)との関連があることが明確となった。
STK2で培養した子宮内膜癌細胞が線維芽細胞様の紡錘形へと形態が変化し、E-cadherinの発現低下とSlugの発現上昇によってEMTが誘導された。臨床検体の免疫染色でも、Slugのスコアは癌成分に比べて肉腫成分で有意に高かった。また、STK2で培養した細胞がCSC化した状態であることは、それはALDH1活性の高い細胞の増加とスフェロイド形態を示す細胞の増加によって証明された。癌細胞由来の間葉系幹細胞が子宮癌肉腫における肉腫成分の確立に必要である可能性がある。
STK2で培養した細胞はSox4、Sox7及びSox9の発現を促進した。Sox4遺伝子のプロモーター活性は、Sox7により著明に上昇し、免疫染色においてSox4とSox7に強い正の相関がみられた。
STK2で培養した子宮内膜癌細胞ではSlugとSox4が共に過剰発現している。Sox4を一時的にトランスフェクトすることでSlugのmRNA発現が増加し、プロモーター活性にも同様のことが証明された。Sox4はSlug遺伝子のプロモーター領域の-2125~-813bpの間にある4つの結合領域を認識し、Slug発現を促進させる。この3つの効果は、Sox9やSox7との共発現によってさらに強調された。
Sox4はβ-cateninを介してSlug遺伝子の転写活性を上昇させており、β-catenin、Sox4及びp300との転写複合体を形成していた。Sox4によるSlug遺伝子のプロモーター活性の上昇は、TCF4陰性優位の状態でも棄却されなかった。このことは、このプロモーター活性にTCF4の結合領域は必要とされないことを意味していると考えられた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2016

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Cooperation of Sox4 with β-catenin/p300 complex in transcriptional regulation of the Slug gene during divergent sarcomatous differentiation in uterine carcinosarcoma2016

    • 著者名/発表者名
      Inoue H , Takahashi H, Hashimura M, Eshima K, Akiya M, Matsumoto T, Saegusa M
    • 雑誌名

      BMC Cancer

      巻: 16 ページ: 53

    • DOI

      10.1186/s12885-016-2090-y.

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [学会発表] Sox4/β-カテニン/p300/Slug系は上皮間葉転換/がん幹細胞化を介して子宮癌肉腫の肉腫成分形成に関与する2016

    • 著者名/発表者名
      橋村美紀、高橋博之、井上久子、三枝 信
    • 学会等名
      第105回日本病理学会総会
    • 発表場所
      仙台
    • 年月日
      2016-05-12 – 2016-05-14

URL: 

公開日: 2018-01-16  

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