研究課題/領域番号 |
26460430
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研究機関 | 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所) |
研究代表者 |
泉山 七生貴 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 助手 (10158751)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 膀胱癌 / テロメア / 染色体分析 |
研究実績の概要 |
平成26年度の研究実績の概要を報告する。手術で切除されたサンプルより得た初代培養細胞をコルセミド処理後に回収した。低張処理後、カルノア液で固定し展開標本を作製した。この際、対照としてTIG-1細胞を同一スライドグラス上に滴下し、同様に展開標本とする。つまり、1枚のプレパラートに検体と対照が載り、両者の展開標本をPNAプローブ(テロメアプローブ(CCCTAA)3にCy3付加、Fasmacカタログ番号:F1002、セントロメアプローブ(CTTCGTTGGAAACGGGGT)にFITC付加:特注)を用いたQ-FISHを実施した。対照によりFISH時のハイブリ条件のバラツキを校正し、症例間の比較の精度が格段に高まった。これを画像処理ソフトIsisおよびカリオタイプ解析機能を備えたCCDカメラ装着の蛍光顕微鏡(カールツァイスAxio Imager MAT)で撮影し、核型分析の専門家(日赤医療センター菅野恵子:研究協力者)も動員しIsisカリオタイプソフトを使用し、核型分析を実施した。対象ならびに対照細胞のメタフェーズ画像はテロメア解析ソフトTFL-Telo(ver.2.0)により染色体末端のテロメア光度を長短腕別に自動的に測定し、テロメア光度を得た。さらに、コントロールとして培養細胞の光度を同時に測定することにより高い精度を得た。 撮影済みのFISHイメージを用い、初代培養細胞1000細胞あたりの分裂後期架橋の割合を解析した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成26年度の目標である、研究材料の収集、および、染色体分析と長短腕別テロメア長測定は順調に行われている。 一部、撮影済みのFISHイメージから、分裂後期架橋解析が行われた。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究の推進方策は、引き続き、研究材料の収集を行う。 そして、初代培養細胞を行い、染色体分析と長短腕別テロメア長測定を行う。 また、全染色体ペイント法による架橋部分の染色体の検出を行い、テロメア短縮に伴う染色体の不安定性の指標である分裂後期架橋に関与する染色体を明らかにする。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究材料である膀胱乳頭状尿路腫瘍組織の症例数が目標症例数より僅かに少なく、それに伴い、目的とする二倍体と異数体を同時に示す腫瘍の症例数も少なかった。その結果、助成金の執行額を次年度に繰り越した。
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次年度使用額の使用計画 |
研究材料の収集先との連絡を密に行い、膀胱乳頭状尿路腫瘍組織を入手し、初代培養細胞を得て、組織診断により二倍体と異数体を同時に示す腫瘍の染色体分析と長短腕別テロメア長の測定を行う。
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