加齢とともに血管平滑筋細胞の構成タンパクが変化し、血管機能を低下させると想定されている。本研究ではヒト大動脈中膜の加齢性変化をプロテオーム解析した。対象は高齢群、中年群、若年群の病理解剖大動脈サンプルである。プロテオーム解析は2D-DIGEおよびiTRAQ法を用いた。加齢に伴いアクチンファミリー、細胞外基質、抗酸化のタンパクに発現の変動を認めた。すなわちアクチンファミリータンパクではアクチンの減少および他のアクチン関連タンパクの増加を、また抗酸化タンパクおよび酸化マーカーの増加を高齢者に認めた。以上よりアクチンとアクチン関連タンパクのインバランスおよび抗酸化タンパク質の増加を高齢者に認めた。
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