IgA腎症を完治させる画期的治療法として扁桃摘出ステロイドパルス療法の適応についての基準がない。そこで、扁摘パルス療法により寛解する因子を解析した結果、1年後の尿蛋白寛解に、間質の線維化%(IF)と腎生検時の一日尿蛋白量(PU)が独立した予後予測因子となった。カットオフ値は、IFが25%、PUは0.43g で、それにより1年後の寛解を78%の確率で予測できた。 IgA腎症発症に扁桃炎が関与する機序に関して、IgA腎症扁桃炎が慢性扁桃炎に比して担IgA形質細胞の比率が高く、CD208 陽性樹状細胞を中心に持つT細胞結節が優勢で活動性半月体と相関し、パルス療法に扁摘が併用される根拠が示された。
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