研究課題/領域番号 |
26460450
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
宮川 文 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (90432385)
|
研究分担者 |
鶴山 竜昭 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (00303842)
|
研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
キーワード | 肝移植 / 慢性拒絶反応 / 早期診断 |
研究実績の概要 |
京都大学附属病院で保存されている肝移植後肝組織のうち、免疫寛容に至った例と慢性拒絶反応例を対象に、グラフト生検あるいは摘出肝から蛋白質を抽出、抗体アレイや質量分析などの網羅的解析を実施する。解析の結果、正常肝臓との比較により慢性拒絶あるいは免疫寛容で増加あるいは減少している候補蛋白質のうち、新たな診断マーカーとなり得る蛋白質を同定することを目的とする。これにより慢性拒絶あるいは免疫寛容を誘導する新たな診断マーカーが確立されることが期待される。まず、慢性拒絶反応により再移植例を用いて、抗体アレイによる網羅的解析を行った。正常肝に比較して、慢性拒絶反応で発現低下がみられたSTK17A ( serine/threonine kinase 17A) を選択し、組織切片上での発現細胞および分布の検証を行った。経時的に生検された移植患者の生検において、慢性拒絶反応として組織学的診断確定に至る前に、蛋白発現が減少、分布の異常がみられた。慢性拒絶反応の早期診断に有用である可能性を考察した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
慢性拒絶反応例においては、早期診断の補助と成り得る候補蛋白質を同定し、実際の生検材料を用いて検証した。免疫寛容群においては、微小な生検組織が解析対象となるため、網羅的解析に必要な蛋白質の量、質の確保が課題で、現在、質量分析に応用するべく検討中である。
|
今後の研究の推進方策 |
免疫寛容群の肝生検組織からの蛋白抽出のプロトコールを再検討し、質量分析への応用を試み、免疫寛容へ至る診断マーカーの同定、生検組織上での免疫組織化学法やイムノブロッティングなどによる検証を行う。
|