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2014 年度 実施状況報告書

胸膜肉腫型中皮腫の網羅的遺伝子発現解析に基づく病理鑑別診断への応用

研究課題

研究課題/領域番号 26460452
研究機関広島大学

研究代表者

武島 幸男  広島大学, その他の研究科, 教授 (70236462)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード中皮腫 / 肺癌 / 鑑別診断 / 免疫組織化学的染色 / マイクロアレー
研究実績の概要

本年度は、検討対象となる肉腫型中皮腫と肺多形癌の症例集積につとめた。その結果、肉腫型中皮腫は21例が、肺多形癌は24例の症例の蒐集を行うことができた。これらについて、まず、各々の症例の診断の確定を行うため免疫染色を行った。
各種マーカーに対する肉腫型中皮腫あるいは二相型中皮腫の肉腫様成分の各種抗体に対する陽性率は、Calretinin 79%、D2-40 81%、WT-1 33%、AE1/AE3 100%、CAM5.2 100%、Claudin-4 0%、TTF-1 0%、p40 4%、TTF1とp40ともに陽性0%であった。
肺多形癌では、背景に腺癌や扁平上皮癌のある例が比較的多く含まれていたが、多形性あるいは紡錘形形態を示す部分では、Calretinin 52%、D2-40 19% 、WT-1 10%、AE1/AE3 95%、CAM5.2 100%、Claudin-4 43%、TTF-1 71%、p40 35%、TTF1とp40ともに陽性のもの95%となった。
これらの結果は、両者の鑑別にD2-40が有用とした以前の報告(Takeshima Y et al. Histopathology, 2009)とほぼ同様の結果となった。
これらの結果は、既存のマーカーのみでは両者の鑑別は困難であり、新たなマーカー探索の必要性が望まれるところである。
本年度末までに、肉腫型中皮腫6例、肺多形癌6例よりmRNAの抽出を終え、発現マイクロアレー解析に供する準備を整えたところである。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本年度は病理診断、鑑別診断の困難な肉腫型中皮腫、肺多形癌は、稀であり、症例集積に時間を要したため。これらの確定診断の為に前記の如く、各種マーカーを用いた免疫組織化学的染色が必要であり、これらを行って対象症例のコンファームをおこなった。

今後の研究の推進方策

肉腫型中皮腫6例、肺多形癌6例より、mRNAの抽出、発現マイクロアレー解析を行い、両者に発現の顕著な差のある遺伝子を明らかにする。そして、その遺伝子産物に対する抗体を用いて、各症例に対して免疫組織化学的染色を行い、実際に鑑別診断に有用であるか否かを明らかにする。また、症例数をさらに増やして検討を行う予定である。さらに、microRNAの抽出も行い、両者で差のあるmicroRNAも明らかにする予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2014

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 中皮腫2014

    • 著者名/発表者名
      武島幸男、櫛谷 桂、Amatya V.J.、井内康輝
    • 雑誌名

      病理と臨床 - 免疫組織化学診断と治療選択の指針

      巻: 32(臨時増刊) ページ: 154-159,

    • 査読あり
  • [学会発表] 免疫化学的染色を用いた中皮腫の細胞・組織診断2014

    • 著者名/発表者名
      武島幸男
    • 学会等名
      第53回日本臨床細胞学会秋季大会
    • 発表場所
      下関市
    • 年月日
      2014-11-09
    • 招待講演
  • [図書] 腫瘍病理鑑別診断アトラス 縦隔腫瘍・胸膜腫瘍2014

    • 著者名/発表者名
      武島幸男、櫛谷 桂、Amatya V.J.、井内康輝
    • 総ページ数
      297
    • 出版者
      文光堂

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公開日: 2016-05-27  

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