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2014 年度 実施状況報告書

肺小細胞癌診断に向けたCXCR4標的薬を用いる染色法とSPECTプローブ開発

研究課題

研究課題/領域番号 26460453
研究機関熊本大学

研究代表者

長谷川 功紀  熊本大学, 大学院生命科学研究部, 助教 (50525798)

研究分担者 伊藤 隆明  熊本大学, 大学院生命科学研究部, 教授 (70168392)
研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワードCXCR4 / 転移 / SPECT/CT / 染色剤
研究実績の概要

腫瘍の転移能を評価するための染色薬剤開発およびSPECT/CTのための分子プローブ開発を行っている。CXCR4結合分子および転移・増殖に関わる複数の分子を染色剤化することに成功した。Western blot法を発展させ、抗体の代わりにこれら染色剤を用いて標的タンパク質を検出できる方法の開発に成功した。本法を利用し、複数の標的受容体発現を小細胞肺癌、肺腺癌、肺扁平上皮癌、甲状腺髄様癌等の細胞株を用いて検索し、その結果多くの癌種で共通に発現する受容体分子をスクリーニングすることに成功した。また小細胞肺癌細胞株を移植したマウスの腫瘍塊をホルマリン固定パラフィン包埋切片にし、染色剤を反応させた結果、標的分子の局在を可視化することに成功した。そこで次にヒト組織である病理切片で染色を行った。肺小細胞癌と甲状腺髄様癌を用い、複数の染色剤で染色した結果、組織上の標的蛋白質局在を明らかにすることに成功した。以上の結果、高親和性のリガンドプローブを各種癌細胞株にてスクリーニングすることができ、さらにそこで見出した標的分子の発現局在を病理組織切片上でも明らかにすることができた。
次に多くの癌種に発現する受容体リガンドをSPECT/CTの分子プローブとして調製した。小細胞肺癌細胞株を移植したマウスに標識薬剤を投与し、SPECT/CTで撮像した結果、腫瘍を非侵襲的に可視化することに成功した。
以上のことから、細胞レベルから個体レベルまでを診断評価することができる方法開発に成功した。来年度は転移マウスを作成し、その微小転移を可視化する方法を検討する。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

本年度の目標は染色薬剤およびSPECT/CT用のプローブ調製することを目標とした。結果としては、染色剤の合成ならびにそれを応用したスクリーニング法の開発、病理組織切片の染色法を開発することができた。またSPECT/CT用のプローブ調製し、さらに腫瘍移植マウスで腫瘍の可視化に成功した。次年度に行う予定の研究の半分程度までを初年度で達成することができた。

今後の研究の推進方策

研究が順調に進捗していることから、さらに応用となる研究を遂行する。新たな目標として高転移肺小細胞癌細胞株を用いて脳転移モデルマウスの作製を行う。頭蓋骨に覆われた深部組織中への転移をSPECT/CTで鋭敏に検出できる方法を検討する。そのためのモデル動物を構築する。さらに様々な染色薬剤の開発およびSPECT/CTのための分子プローブ開発を行う予定とする。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2014

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Notch1 controls cell invasion and metastasis in small cell lung carcinoma cell lines.2014

    • 著者名/発表者名
      Hassan Wael; Ryoji Yoshida; Shinji Kudoh; Kohki Hasegawa; Kanako Niimori-Kita; Takaaki Ito
    • 雑誌名

      Lung cancer

      巻: 86(3) ページ: 304-310

    • DOI

      10.1016/j.lungcan.2014.10.007

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Identification of nuclear phosphoproteins as novel tobacco markers in mouse lung tissue following short-term exposure to tobacco smoke2014

    • 著者名/発表者名
      Kanako Niimori-Kita; Kiyoshi Ogino; Sayaka Mikami; Shinji Kudoh; Daikai Koizumi; Noritaka Kudoh; Fumiko Nakamura; Masahiro Misumi; Tadasuke Shimomura; Koki Hasegawa;Takaaki Ito
    • 雑誌名

      FEBS Open Bio

      巻: 4 ページ: 746-754

    • DOI

      10.1016/j.fob.2014.08.002

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Notch1 signaling controls cell proliferation, apoptosis and differentiation in lung carcinoma2014

    • 著者名/発表者名
      Hassan Wael; Ryoji Yoshida; Shinji Kudoh; Kohki Hasegawa; Kanako Niimori-Kita; Takaaki Ito
    • 雑誌名

      Lung Cancer

      巻: 85(2) ページ: 131-140

    • DOI

      10.1016/j.lungcan.2014.05.001

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Bromodeoxyuridine (BrdU)-label-retaining cells in mouse terminal bronchioles2014

    • 著者名/発表者名
      Hiroki Kameyama; Shinji Kudoh; Naoko Udaka; Motoko Kagayama; Wael Hassan; Kohki Hasegawa; Kanako Niimori-Kita; Takaaki Ito
    • 雑誌名

      Histology and Histopathology

      巻: 29(5) ページ: 659-668

    • 査読あり
  • [学会発表] 臨床研究に向けた68Ga‐DOTA‐FAMP調製法の最適化2014

    • 著者名/発表者名
      長谷川功紀, 上原吉就, 川内絵未, 吉田毅, 矢野恒夫, 三浦伸一郎, 朔啓二郎
    • 学会等名
      日本核医学会学術総会
    • 発表場所
      大阪府大阪市大阪国際会議場
    • 年月日
      2014-11-06 – 2014-11-08
  • [学会発表] Kisspeptin誘導体を用いたGPR54(Kiss1R)染色法の開発2014

    • 著者名/発表者名
      長谷川功紀, 伊藤隆明
    • 学会等名
      日本組織細胞化学会総会
    • 発表場所
      長野県松本市中央公民館
    • 年月日
      2014-09-27 – 2014-09-28
  • [学会発表] 低分子リガンドを用いた受容体染色法の開発とカルチノイド腫瘍の染色2014

    • 著者名/発表者名
      長谷川功紀, 内藤嘉紀, 工藤信次, 新森加納子, 伊藤隆明
    • 学会等名
      日本病理学会
    • 発表場所
      広島県広島市広島国際会議場
    • 年月日
      2014-04-24 – 2014-04-26
  • [図書] 次世代ペプチド医薬創製2014

    • 著者名/発表者名
      長谷川功紀
    • 総ページ数
      8
    • 出版者
      メディカルドゥ

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公開日: 2016-05-27  

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