| 研究課題/領域番号 |
26460457
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| 研究機関 | 国際医療福祉大学 |
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研究代表者 |
相田 真介 国際医療福祉大学, 大学病院, 教授 (10531387)
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| 研究分担者 |
相田 順子 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 専門副部長 (80425678)
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| 研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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| キーワード | テロメア / 胸水 / 中皮細胞 / 腺癌 / 悪性中皮腫 / Q-FISH |
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| 研究実績の概要 |
非腫瘍性胸水5例、腺癌4例、悪性中皮腫4例、合計13例の胸水を採取し、セルブロック作成、Q-FISH 法によるテロメア長測定を行った。各症例100個以上の中皮細胞および腫瘍細胞のテロメア長を、テロメア長はテロメア対セントロメア蛍光光度比(TCR)として測定し、さらに同一切片上のテロメア長既知(8.64kbp)の培養細胞のTCRとの比(normrized TCR, 以下NTCR)として算出した。
結果：非腫瘍性胸水５例中の中皮細胞のNTCR平均±標準偏差は、1.4±0.24、腺癌4例の胸水中腫瘍細胞は0.99±0.28、悪性中皮4例の腫瘍細胞のNTCRは0.88±0.12であった。
考察：胸水中の肺腺癌細胞および悪性中皮腫細胞のテロメアは、非腫瘍性の中皮細胞に比べ、明らかに短かく、テロメア長の測定が胸水中の悪性細胞と中皮細胞の鑑別に有効であることが推定された。
ここまでの結果を平成27年度の日本臨床細胞学会および石綿・中皮腫研究会で、発表する予定である。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
症例の収集が予定より遅れた。理由は、特に石綿曝露非悪性中皮腫症例について、石綿曝露の確認と、悪性中皮腫が発生していないことを、どの程度まで厳密に調べるべきかについて意見が分かれたためである。研究分担者および研究協力者と意見交換した結果、今後の研究の正確さを担保するためには、なるべく厳密にするべきであるとして、石綿曝露によると考えられる胸膜プラークがあり、かつ胸腔鏡で胸腔内を観察して、腫瘍性病変が存在しないことを確認できた症例に限ることにした。
腺癌症例および悪性中皮腫症例に関しては、研究実績に記載したように、ほぼ予定通りに進行している。石綿曝露非悪性中皮腫症例に関しては、定義を厳密にしたため、今後もやや研究の進行が遅れる可能性が考えられるが、正確な研究成果を得るためには致し方ないものと考える。
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| 今後の研究の推進方策 |
石綿曝露非悪性中皮腫症例について、石綿曝露によると考えられる胸膜プラークがあり、かつ胸腔鏡で胸腔内を観察して、腫瘍性病変が存在しないことを確認できた症例に限ることに決定したので、この定義に合致する症例をなるべく多く収集し、特に石綿曝露による中皮細胞のテロメア長の変化に注目して研究を進める。また腺癌症例と悪性中皮腫症例に関しては、26年度の研究である程度の成果が得られたので、学会等での発表を行うとともに、症例の収集を続けて、さらに検討症例を増やす。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
現在までの達成度に記載したように、研究の正確さを担保するために、石綿曝露非悪性中皮腫症例を厳密に定義し直した。そのため、症例の収集も計画より遅れ、研究試薬や消耗品の使用も予定より少なく、また学会等での発表もできなかったので、学会発表用に予定していた旅費も使用しなかったことによる。
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| 次年度使用額の使用計画 |
新たに定義した石綿曝露非悪性中皮腫症例を収集し、その胸水中皮細胞のテロメア長測定をなるべく多く行って、現在遅れている分をなるべく取り戻したい。そのための標本作成用の消耗品やテロメア測定用の試薬の使用は、昨年度より増加すると考えられるので、今回生じた次年度使用額を使用する。また比較的順調に進んでいる腺癌症例および悪性中皮腫症例については、研究成果を学会等で発表する予定なので、そのための学会用の旅費にも、今回生じた次年度使用額を使用する予定である。
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