胸水中の中皮細胞と腫瘍細胞のテロメア長(TL)を測定し、石綿曝露等との関連を検討した。非腫瘍性胸水(NN)35例、悪性中皮腫(MM)9例、肺腺癌(LA)8例を測定した。NN35例中15例は胸膜プラークを有し、石綿曝露が示唆され(NNpp+)、20例はプラークなし(NNpp-)。テロメア長はQ-FISH法にて測定した。NNはMM及びLAよりTLが長かった(p<0.001)。NNpp+は、NNpp-よりわずかにTLが短かった(p=0.047)。中皮悪性マーカーEMA, GLUT1等の発現が、NNにも稀にみられ、TLが短い例に多かった。これらより、TL短縮の悪性中皮腫発生への関与が示唆された。
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