膵管内管状乳頭腫瘍(intraductal tubulopapillary neoplasim, 以下ITPN)は我々が発表した新しい膵癌の概念であり,その発生・進展に関わる遺伝子異常は既知の膵癌や膵管内腫瘍とは異なることが想定される.我々は本腫瘍の凍結サンプルを用い,遺伝子異常の網羅的解析を行った.その結果,PIK3CAの体細胞変異を初めとして,既知の膵癌とは異なる新規の異常が多数同定された.本腫瘍の独立性を支持するとともに,その診断や治療に寄与し得る貴重な知見であると考えられた.今回の結果は,米国のチームが出した結果と統合し国際共同研究として論文発表した.
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