気管支および体腔液細胞診検体中の上澄みに遊離しているDNAを用いてEGFR遺伝子変異の検出が可能か否かを調査した.培養細胞は時間依存的に細胞変性とCC3陽性細胞の増加,遊離DNA量が増加した.気管支細胞診51例の遊離DNAにおいて,EGFR遺伝子変異は22例の陽性症例に検出でき高感度を示したが,陰性症例は変異を検出できなかった.体腔液細胞診22例のEGFR遺伝子変異は陽性症例で高陽性率だったが,陰性症例は 変異を認めなかった.EGFR遺伝子変異の検出において,上澄み遊離DNAはDNAが十分に確保できない症例を補うことが可能であり,沈査と同様にEGFR遺伝子変異を検出するのに役立つことができる.
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