研究課題
これまでYBX1分子が頭頸部扁平上皮癌に高発現することを明らかにするとともに、その下流のターゲット分子と抗癌剤ならびに放射線感受性低下のメカニズムであるYBX1分子の核内移行について明らかにしてきた。現在、De-stabilzed Domain(DD)をノックインすることによりターゲット蛋白発現の可逆的コントロール可能な新たなマウスの作成を目指し、コンストラクトベクターの作成を行った。まず、これらのコンストラクトが実際に働くことを評価、確認するコントロールとしてGFP-DD融合蛋白とCreERT2コンストラクトを結合させた発現ベクター(pGFP-DD-IRES-CreERT2)を作成・細胞に導入し、in vitroでの評価を行った。その結果、DDのリガンドであるTrimetoprim(TMP)を投与することにより、GFP蛋白がプロテオソームによる分解を回避し、TMP濃度依存的・可逆的に蛋白発現をコントロールできることを確認した。さらにこれらの細胞では、同時にCreERT2蛋白が発現することを確認した。マウス作成ベクターは、Bmi1未分化維持機構を獲得するための重要なターゲットと考えられるYBX1分子のCording sequence3’末端領域にDD-IRES-CreERT2をノックインするベクターを作成した。このベクターを医科学研究所吉田研究室においてC57BL/6系統ES細胞に相同組換えとスクリーニングを行い目的のゲノム領域に導入されているクローンを樹立した。このES細胞クローンをからキメラマウスの産出を得た。さらに交配を進めジャームライントランスミッションが確認された。現在このマウスの系統の維持を行い、産出仔を得た。しかしながらホモマウスの産出仔を得るに至らず、ヘテロマウスによる解析を進めている。
2: おおむね順調に進展している
YBX1分子の下流のターゲット分子と抗癌剤ならびに放射線感受性低下のメカニズムであるYBX1分子の核内移行について明らかとしてきた。またYBX1分子をコントロールする新規ノックインマウスの作成、維持を可能とし現在解析をすすめているため。
YBX1因子と協働する分子についての解析ならびにYBX1分子をコントロールする新規ノックインマウスの解析を進める。
本年度直接経費に計上した額の残金816円の金額による研究遂行に必要な物品の購入には不足していたため、次年度使用額に合算し物品の購入に充てるため。
研究遂行に必要なプラスチック製品の購入に充てる予定である。
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