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2015 年度 実施状況報告書

DNAアダクトーム解析のためのDNA付加体およびアミダイトの合成基盤の構築

研究課題

研究課題/領域番号 26460469
研究機関東京農業大学

研究代表者

松島 芳隆  東京農業大学, 応用生物科学部, 教授 (20282816)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワードDNA付加体 / アダクトーム / アミダイト / がん / 塩基除去修復酵素 / 合成 / 脂質酸化物
研究実績の概要

DNAの酸化的損傷や過酸化脂質の付加により生じるDNA付加体(adducts)は、突然変異を引き 起こし発がんの原因となる。ヒト発がん予測指標の確立を目指しDNA付加体の網羅的解析たる「DNA アダクトーム解析」が提唱されたが、塩基除去修復酵素との関係など多くは未だ解明されていない。一般に、各種DNA付加体は生体内では極微量にしか生成されず入手が極めて困難である。本応募研究課題は、塩基除去修復酵素と発がんとの関係を明らかにするために不可欠な各種DNA付加体やそのDNA オリゴマーを有機合成化学的手法により確実に得る方法を開発するものである。
本年度は、研究実施計画のうち、昨年度得られた脂質酸化物ONEを用いて、
2. 脂質酸化物と各種 2'-デオキシヌクレオシド(dA、dC、dG)の共役付加-環化反応の条件検討:
を行った、dC、dGについては、それぞれONE-dC、ONE-dG効率的と言ってよい合成が完了したが、dAについては成功していない。
また、既に昨年度、物質量が確保されたDNA付加体についてアミダイト体への変換を検討した。まず、単純な構造式を有するetheno-dAやetheno-dCについて、それぞれアミダイト体への変換を完了した。その後、OHE-dC、OHE-dGについて、その後のアミダイト体への変換を種々検討し、dGの誘導体に関しては、条件検討に時間を要したものの、それぞれ効率的な合成を達成した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究実施計画のうち、
脂質酸化物と各種2'-デオキシヌクレオシド(dA、dC、dG)の共役付加-環化反応の条件検討:
について検討を進め、dCとdGについては、その効率的な合成を完了し、計画の、
3. 各種 DNA 付加体のホスホロアミダイト体(DNA オリゴマーの前駆体)への変換
の段階、すなわち、そのアミダイト体の合成もおおむね達成し、ほぼ予定通りの進展と考えている。

今後の研究の推進方策

今後は、研究実施計画の
4. DNA付加体を含む各種オリゴマーを用いた塩基除去修復酵素の機能解析
に向けた下準備のため、各種アミダイト体の供給とそれを用いたオリゴマーの調製を行い、酵素反応に供する予定である。なお、
2. 脂質酸化物と各種2'-デオキシヌクレオシド(dA、dC、dG)の共役付加-環化反応の条件検討:
のうち、未だ未解決のdAと脂質酸化物との反応の検討を引き続き行っていく予定である。

次年度使用額が生じた理由

本年度は消耗品に関しては、在庫品の使用で賄うことができたため。

次年度使用額の使用計画

次年度には、新しい試薬の購入が予定されているので、その購入に当てる予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2015

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Robust quantitative assessments of cytosine modifications and changes in the expressions of related enzymes in gastric cancer.2015

    • 著者名/発表者名
      C. Du, N. Kurabe, Yoshitaka Matsushima, M. Suzuki, T. Kahyo, I. Ohnishi, F. Tanioka, S. Tajima, M. Goto, H. Yamada, H. Tao, K. Shinmura, H. Konno, H. Sugimura
    • 雑誌名

      Gastric Cancer

      巻: 18 ページ: 516-525

    • DOI

      10.1007/s10120-014-0409-4

    • 査読あり / 国際共著

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公開日: 2017-01-06  

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