肺癌患者の2割を占める小細胞肺癌は、遠隔転移形成が非常に多く予後不良である。本研究では、研究代表者らが独自に開発した自然転移モデルを活用して、低分子化合物や抗体の評価を行うとともに、転移関連因子の探索を進め、以下の結果を得た。(1)シスプラチンあるいはHGF受容体阻害剤による治療実験を行い、本モデルが低分子化合物や抗体などの評価に有用であることを明らかにした。(2)患者での発現と予後が相関する膜タンパク質の解析を行い、抗腫瘍活性抗体の標的になりうることを見出した。(3)自然転移モデルの同所移植巣と転移巣での癌細胞の遺伝子発現プロファイルを比較するプロトコールを確立した。
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