研究課題
平成28年度は高コレステロール食餌誘発動脈硬化モデル及び腹部大動脈瘤モデルの病理学的解析を行った。詳細は以下の通り。1. 高コレステロール食餌誘発動脈硬化モデルこれまでの大動脈の病理学的解析の所見より、動脈硬化病変を有する箇所に弾性線維の断裂が散見されたことから、大動脈中膜弾性線維の断裂の定量化を試みた。方法としては3層以上の弾性線維の断裂がある箇所を同定し、動脈硬化病変部の内弾性板の長に占める弾性線維断裂箇所の長さを定量した。その結果、MMP-1Tgウサギは対照ウサギに比べて大動脈弓部の弾性線維の断裂が多く認められた。2. 腹部大動脈瘤モデル右腎動脈直下から腸骨動脈分岐部までの腹部大動脈をホルマリンにて固定し、3 mm間隔で切り分け、パラフィン包埋ブロックを作製した。パラフィン切片をHE、EVG(Elastica van Gieson)及びマクロファージ免疫染色を行った。大動脈瘤形成部分には著明な弾性線維の断裂が観察されるとともに、外膜及び中膜を中心にマクロファージの集簇が認められた。補助事業期間(平成26~28年度)を通して、マクロファージ特異的にヒトMMP-1を発現するTgウサギを作製し、MMP-1の動脈硬化性疾患における役割を2つの疾患モデル「食餌誘発動脈硬化モデル」「腹部大動脈瘤モデル」を用いて解明を試みた。今後、これらの結果を学術集会で発表予定である(演題採択決定済み)。また、現在論文を作成中であり国際誌への投稿を予定している。
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Arterioscler Thromb Vasc Biol.
巻: 印刷中 ページ: 印刷中
10.1161/ATVBAHA.117.309114
巻: 36 ページ: 810-816
10.1161/ATVBAHA.115.306871
http://www.med.yamanashi.ac.jp/clinical_basic/pathol01/publications.html