マトリックスメタロプロテアーゼ-1(MMP-1)の高発現は動脈硬化や動脈瘤の発生に関連すると考えらえているが、マクロファージ由来のMMP-1の直接的な関与については明かでない。我々はマクロファージ特異的にヒトMMP-1を発現する遺伝子改変(Tg)ウサギを作製し、これらの解明を試みた。コレステロール食により動脈硬化を誘発したところ、MMP-1 Tgウサギは対照に比べて動脈硬化病変中の血管中膜の弾性線維の破綻が増加した。また、大動脈瘤モデルにおいて、MMP-1 Tgウサギは大動脈の拡張が促進した。これらの結果はマクロファージ由来のMMP-1が血管病変に重要な役割を果たしていることを示唆している。
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