我々は、ドパミン神経変性におけるMTH1、OGG1、MUTYHの関与を解析した。 ドパミン神経毒のMPTPを投与したOgg1/Mth1-DKOマウスは、野生型と比較して多動、運動亢進、握力低下を呈した。ヒトMTH1を高発現するhMTH1トランスジェニックマウスは、運動亢進に対して顕著な抵抗を示した。MPTP投与により野生型およびOgg1-KOマウスは運動亢進を示したが、Ogg1/Mutyh-DKOマウスでは観察されなかった。以上の結果は、MTH1 とOGG1 は黒質線条体系のドパミン神経細胞を保護し、一方MUTYHによる塩基除去修復過程はドパミン神経細胞の変性の引き金となる可能性を示唆している。
|