多数の胆道領域がんバイオリソースを用いて、発がん・増殖・進展に関わる分子機構の解明を行った。その結果、腫瘍発生部位に関連する4候補遺伝子が見いだされ、免疫組織学的検討で腫瘍存在部位に一致した発現傾向を得た。腫瘍進展因子IDCC(Intraductal carcinoma component;上皮内がん成分)に関連する50候補遺伝子の解析では、IDCC陰性群(高悪性度群)に高く発現している遺伝子の多くは転移・浸潤に関連した遺伝子であることが判明し、臨床病理組的解析結果の裏付けとなった。さらに、これら遺伝子を標的にした新規抗がん剤の前臨床試験も可能なin vitro assay系も確立された。
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