本研究では、筋ジストロフィーなどの遺伝性疾患に対する根治療法としてAAVベクターを用いた遺伝子治療の際に問題となっている免疫応答についての検討を行った。CXMDJ(筋ジストロフィー犬)を用い、生後に遺伝子治療を行うことを目標として若齢犬に間葉系幹細胞(MSCs)をAAVと併用投与することで、AAV由来の遺伝子の発現が保たれるか見た。まず正常犬を用いてAAV-LucとMSCの併用投与したところtransgeneの発現減弱は遅くなることがわかった。CXMDJに対し、MSC併用で治療遺伝子発現ベクター(AAV-uDys)を全身性投与し、病態の経過を観察した。結果、病態の進行が非常に緩やかであった。
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