我が国で2013年に初めて症例報告された重症熱性血小板減少症候群(SFTS)のマダニ媒介サイクルの解明を目的に、福井県嶺南地方および患者発生地の兵庫県豊岡市の定点調査地において、植生上のマダニ類の季節的消長を明らかにした。兵庫県産マダニからのSFTS遺伝子検出には成功したものの、福井県産マダニの保有率が低いと推定された。培養細胞で増殖されたSFTSウイルスの電顕観察を行い微細構造を明らかにした。一方でウイルス侵入の感染門戸となるマダニ刺し口周囲の皮膚病態を解析した。さらに症例を集めて検討すると共に、野鼠を含む野生動物からの試料も追加している。
|