研究課題/領域番号 |
26460512
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
岸本 英博 琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (80251213)
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研究分担者 |
李 長春 琉球大学, 医学部, 非常勤講師 (20457691)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | マラリア / 感染防御 / 免疫記憶 / ワクチン |
研究実績の概要 |
目的:本研究の目的は、赤血球型マラリアの感染防御に対する免疫応答において,未だにその役割がはっきりしていないT細胞の初期応答と免疫記憶の確立を生体内で可視化する事である。 具体的には、IFNγを産生する細胞が蛍光タンパク質であるVENUS(GFPの改良型)を発現するように設計されたIFNγ-VENUS-BACトランスジェニックマウスに赤血球型マラリアを感染させ、マウスの生体内において: ①いつ ②どこでT細胞の免疫応答が強く起きるか? ③どこで記憶T細胞は維持されるかを解析する。マラリアに対する免疫応答を可視化する事により、効果的なマラリアワクチンの投与方法(場所)や時期・回数など基礎知識を得る事が可能で価値が高い。 実績:赤血球型マラリアをマウスに感染させ、IFNgの発現を経時的に組織ごとに解析する。 メロゾイトに感染させたマウスをd1、4、7、14とd60以降で脾臓、リンパ節、肺、肝臓を免疫組織学的に解析または、フロサイトメトリーで解析し、どの細胞がIFNgを発現しているのか、活性化マーカー等を解析する。またその細胞は組織のどの場所多く存在するのかも同時に解析する。H27年度は、赤血球型マラリアが感染し、宿主がわの免疫応答が最大になると思われる2`3週間後にIFNgを強く発現している活性化T細胞の解析を行った。その結果、14日~21日後に、脾臓において、今までに報告されていないCD8+T細胞の亜集団が一時的に現れることを見出した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成26年度同様、マラリアの感染実験を2回行った。前年度同様、感染後、2~3週間で今までに報告されていないIFNgを発現するT細胞の集団が脾臓のみに現れることを確認した。また、その時に凍結したマラリア感染マウスの組織・器官を免疫組織学的に解析を行い、二次リンパ組織内でのさらなる免疫細胞の分布の解析を行った。フローサイトメーターにおける解析と同様にリンパ節ではIFNgを発現T細胞はほとんど検出できなかったが、脾臓では確認することができた。
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今後の研究の推進方策 |
H28年度は、以下のことを重点的に研究する; ①赤血球型マラリアに対する記憶T細胞の脾臓内での分布箇所。脾臓に多く赤血球型マラリアに対する記憶T細胞が存在していることはフローサイトメーターの解析において確認しているが、脾臓内の詳細な位置を免疫組織学的に解析する。 ②脾臓内に存在する記憶T細胞、およびごく少量リンパ節に存在する記憶T細胞のマラリア感染防御の機能的解析。それぞれの二次リンパ組織に存在する記憶T細胞をナイーブマウスに移入し、マラリア感染に対する防御機能を解析する。 ③同様にB細胞について移入実験を行い、抗体産生細胞が脾臓に存在するのか、リンパ節、または骨髄に存在するのかを解析する。
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次年度使用額が生じた理由 |
年度末の学会出席であったため、飛行機代の計算と実際の料金にズレが生じたため。
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次年度使用額の使用計画 |
差額1200円は消耗品購入に充てる予定である。その他は計画通りに予算を執行する予定である。
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