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2016 年度 実施状況報告書

インフルエンザ菌の気道上皮細胞内寄生と細胞傷害性T細胞応答の解析

研究課題

研究課題/領域番号 26460521
研究機関浜松医科大学

研究代表者

永田 年  浜松医科大学, 医学部, 教授 (90275024)

研究分担者 榎本 紀之  浜松医科大学, 医学部附属病院, 講師 (50436961)
研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2018-03-31
キーワードインフルエンザ菌 / 気道上皮細胞 / ビトロネクチン / プロテインE
研究実績の概要

これまで、NTHi (Nontypeable Haemophilus influenzae; 無莢膜型インフルエンザ菌)の気道上皮細胞内に侵入することをヒト気道上皮細胞株であるBEAS-2B細胞株を用いて確認し、NTHiの細胞内侵入の分子機構について研究をおこなった。BEAS-2B細胞にNTHiを感染させた2時間後に、ゲンタマイシン処理にて細胞外細菌を殺滅した。蛍光染色後の顕微鏡観察にて、細胞内侵入菌数を計数した。またビトロネクチンが、NTHiの細胞表面への付着、細胞内侵入に関与していることを確認するため、プラスチックプレートにコートしたビトロネクチンにNTHiが付着するか検討した。この付着はNTHiのプロテインEの84-108番目のアミノ酸からなるペプチド (PE84-108) の前処理で阻害された。NTHiのBEAS-2B細胞内への侵入も、PE84-108ペプチドの濃度依存的に阻害された。これらの結果より、NTHiの気道上皮細胞への侵入は、宿主のビトロネクチン、NTHiのプロテインEが関与した過程であることが明らかとなった。
平成28年度は、引き続き、いくつかの臨床分離株について、各菌株の、細胞内侵入の分子機構、および菌体の種々の性状(菌体表面の疎水性、菌体凝集体形成能、バイオフィルム形成能等)について検討した。NTHi菌株の性状は以下の通りであった。液体培地内でほとんどの菌株は菌体凝集体を形成し3時間もすると試験管底にたまる性質があった。液体培地に1.5M NaClを加えると、菌体凝集体の形成能は減弱した。このことは、菌体凝集体の形成に菌体表面の電荷が関与していることを意味している。菌体表面の疎水性をヘキサデカンを用いて検討したところ、すべての菌株で疎水性は低かった。各菌株の、プラスチック(ポリスチレン)表面へのバイオフィルム形成能を検討したところ、菌株によってバイオフィルム形成能に違いがあった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

平成28年度は、永田、榎本の学内の研究以外の業務が多忙であり、研究に十分時間がとれなかった。また大学院生の池田が学外の病院勤務となり研究の進行が遅れた。
細胞培養に必要なCO2インキュベーターの調子が悪く、細胞培養、および細菌の感染実験等がスムーズに進行しなかった。

今後の研究の推進方策

NTHi臨床分離株の気道上皮細胞への付着、侵入について検討する予定である。マウスのNTHi感染実験により、NTHiのプロテインEの84-108番目のアミノ酸からなるペプチド (PE84-108) の過剰発現あるいはそれに対する阻害抗体の誘導について検討していく予定である。

次年度使用額が生じた理由

平成28年度は、永田、榎本の学内の研究以外の業務が多忙であり、研究に十分時間がとれなかった。また大学院生の池田が学外の病院勤務となり研究の進行が遅れた。

次年度使用額の使用計画

気道上皮細胞培養用試薬、細菌培養用試薬、および各種実験試薬等の購入に充てる予定である。

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公開日: 2018-01-16  

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