無莢膜型インフルエンザ菌(NTHi)の気道上皮細胞内に侵入することをヒト気道上皮細胞株であるBEAS-2B細胞株を用いて確認し、NTHiの細胞内侵入の分子機構について研究をおこなった。その結果、NTHiは、ビトロネクチンに付着することを確認した。この付着はNTHiのプロテインEの84-108番目のアミノ酸からなるペプチドの前処理で阻害された。この阻害の程度はペプチド濃度依存的であった。同様にNTHiのBEAS-2B細胞内への侵入もペプチドの濃度依存的に阻害された。このことからNTHiの気道上皮細胞への侵入は、宿主のビトロネクチン、NTHiのプロテインEが関与した過程であることが明らかとなった。
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