本研究は、病原性細菌と宿主間の相互作用による病態形成機序の解明を目的とし、リステリア感染および肺炎球菌感染おける自然機構インフラマソームの役割を検討した。インフラマソームを構成するASCが致死性リステリア感染モデルにおいてIL-18依存的に感染を増悪化させることを発見し、その機序を明らかにした。また、肺炎球菌肺炎において、ASCがインフラマソーム非依存的にSTAT6活性化を持続させることで粘膜防御因子の発現低下を抑制し、宿主防御に寄与することを見出した。さらに、肺炎球菌がpneumolysinを産生することで肺炎増悪化因子IL-1αの産生をインフラマソーム非依存的に誘導することを報告した。
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