アナプラズマ科細菌には、ヒトに発熱性疾患を引き起こすAnaplasma phagocytophilumが知られているが、この病原体は分離が極めて困難なため、国内の分離株は得られておらず、日本のA. phagocytophilumのゲノム情報は存在しない。そこで本研究では、アナプラズマ科細菌を保有する媒介マダニの検体から、次世代シーケンサーを用いたメタゲノム解析を行い、国内におけるA. phagocytophilumのゲノムのほぼ全長である1.48 Mbの解読に成功した。得られた知見は、アナプラズマ科細菌の簡易検出ツールや遺伝子診断法の開発へと繋がり、公衆衛生上、多大な社会貢献が期待できる。
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