研究課題
本年度は、研究最終年度であるため、発表を優先して研究を行った。前年度まで、論文が受理されていなかった、クラスCβラクタマーゼ:カルバペネム系薬複合体の研究、クラスCβ-ラクタマーゼ:アビバクタム複合体の研究、PenAカルバペネマーゼ:アビバクタム複合体の研究に関して進展があった。PenAカルバペネマーゼ:アビバクタム複合体の研究に関して、ACS Infect. dis. に論文が受理された。Robert Bonomo教授のグループとの国際共同研究によりX線結晶解析結果に加えてアビバクタムの臨床利用に関する有用な情報を明らかにできたと考える。クラスCβ-ラクタマーゼ:アビバクタム複合体は、P99,GC1、Fox-4と多くの酵素との複合体を得、結果の解釈が複雑となってしまった。そのため、Fox-4の分のみで論文を投稿し、結果を待っている。またP99とGC1複合体では、活性中心のアビバクタムに動きがあることがわかり、なおかつ水分子の位置に関する情報が重要と判断し、分子動力学計算を行っている。昨年度の報告でも同様なことを報告したが、水の位置を適切に配置したいという考えから3D-RISM法を利用し、水の位置を配置した後に分子動力学計算を行っており、結果が出次第、論文投稿を行う。X線結晶解析部分の結果は、2016年のICAACにて発表を行った。クラスCβ-ラクタマーゼ;カルバペネム系薬複合体の研究においては、現象としての結合構造が2つ以上あることは明確とできたが、その理由について理論的な説明を行いたいと考えており、ドリペネム、パニペネム、ビアペネムの複合体構造に関してオキシアニオンホールの崩壊と脱アシル化水の除去という2面から論文作成を行うと同時に分子動力学計算を行っている。クラスCβ-ラクタマーゼの結果は投稿準備中が多く、早期の発表をしたい。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)
ACS Infect Dis.
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10.1021/acsinfecdis.7b00020