本研究を通じて、目的とした持続感染設立メカニズムについて、以下のような結論を得た。1)感染初期にLCVsが産生した毒素が組織を障害して至適な感染の場を作り、2)感染中期にLCVsがバイオフィルムを形成することで強固な防護壁に囲まれた感染巣を構築し、3)感染後期に菌が免疫回避に有利なSCVsと化学療法に抵抗するLCVsの2つの性質を使い分けることで持続感染が成立するという感染モデルが考えられる。即ち、本菌の表現型スイッチングが、生体防御の回避能力を持つSCV型を維持したことで長期間に渡る持続感染が維持できる遺伝学的要因であると結論付けた。
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