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2016 年度 実績報告書

病原真菌における細胞外ステロール取り込み機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 26460541
研究機関龍谷大学

研究代表者

田辺 公一  龍谷大学, 農学部, 准教授 (80370964)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワードカンジダ / ステロール / 病原性 / トランスポーター
研究実績の概要

病原真菌Candida glabrataは、ヒト消化管に常在する酵母であるが、免疫の低下した患者において播種性の感染を引き起こす。C. glabrataは宿主体内で細胞外のステロールを取り込んで利用することが示唆されている。本研究では、宿主体内でステロール取り込みに関わる因子を同定することを目的とした。
遺伝的に近縁種であるSaccharomyces cerevisiaeの先行研究の結果から、ステロール取り込みに関わると予想される遺伝子の破壊株を作製した。遺伝子破壊株の解析結果より、ステロールトランスポーターAus1pおよび細胞壁マンノプロテインTir3pがステロール取り込みに必須であることを明らかにした。AUS1遺伝子破壊株は、マウス感染実験において臓器定着率すなわち病原性が低下することを見出した。また、AUS1およびTIR3の発現量は鉄欠乏条件で顕著に増加することを見出した。血液中の鉄イオンはトランスフェリンと結合しており、利用可能な鉄イオン濃度はきわめて低く保たれている。以上の結果より、C. glabrataは血流感染時にステロール取り込みが活性化されると考えられた。また、Aus1pは分裂時には娘細胞に局在しており、新しい世代の細胞において選択的にステロール取り込みを活性化していると考えられた。以上の結果より、AUS1とTIR3のみでステロール取り込みを活性化できると推測されたが、AUS1とTIR3遺伝子を強制発現させたC. glabrata株は、細胞外ステロールを取り込まなかった。この結果は、AUS1とTIR3以外にもステロール取り込み活性を調節する遺伝子の存在を示唆している。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2016

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] Iron-depletion promotes mitophagy to maintain mitochondrial integrity in pathogenic yeast Candida glabrata.2016

    • 著者名/発表者名
      Nagi M, Tanabe K, Nakayama H, Ueno K, Yamagoe S, Umeyama T, Ohno H, Miyazaki Y.
    • 雑誌名

      Autophagy

      巻: 12 ページ: 1259-1271

    • DOI

      10.1080/15548627.2016.1183080

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] Candida glabrata のミトコンドリア選択的オートファジー2016

    • 著者名/発表者名
      名木 稔、田辺公一、中山浩伸、上野圭吾、犬飼達也、中村茂樹、梅山 隆、山越 智、大野秀明、宮﨑義継
    • 学会等名
      第60回日本医真菌学会総会・学術集会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2016-10-01 – 2016-10-02
  • [学会発表] Candida glabrataのミトコンドリア選択的オートファジーと病原性2016

    • 著者名/発表者名
      名木 稔、田辺公一、中山浩伸、上野圭吾、犬飼達也、中村茂樹、梅山 隆、山越 智、大野秀明、宮﨑義継
    • 学会等名
      第60回日本医真菌学会総会・学術集会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2016-10-01 – 2016-10-02
  • [学会発表] Iron-depletion promotes mitophagy in pathogenic yeast Candida glabrata2016

    • 著者名/発表者名
      Minoru Nagi, Koichi Tanabe, Hironobu Nakayama, Keigo Ueno, Satoshi Yamagoe, Takashi Umeyama, Hideaki Ohno, Yoshitsugu Miyazaki
    • 学会等名
      14th International Congress on Yeasts
    • 発表場所
      兵庫県
    • 年月日
      2016-09-11 – 2016-09-15
  • [学会発表] Candida glabrataの細胞外ステロール取り込みが抗真菌薬感受性、病原性に及ぼす影響2016

    • 著者名/発表者名
      名木 稔、田辺公一、犬飼達也、上野圭吾、中村茂樹、梅山 隆 、山越 智、大野秀明、宮崎義継
    • 学会等名
      第64回 日本化学療法学会総会
    • 発表場所
      兵庫県
    • 年月日
      2016-06-09 – 2016-06-11

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公開日: 2018-01-16  

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